top of page

「聞こえない私が会社の経理を任されて気づいた限界と成長ー自分の弱さと責任に押しつぶされそうになった私が気づいたことー

更新日:1 日前

今回は、会社で大きな責任を任されたときに“弱さに押しつぶされそうになりながらも、逃げずに踏みとどまった経験”から得た気づきをまとめました。同じように不安や責任と向き合っている誰かの力になれたらと思っています。


■ 予想以上の大きな責任と向き合った日


私は父が経営する会社で長年営業事務を担当していました。しかし、ある理由で経理業務を担当することになり、「私にできるのだろうか」と正直、とても不安でした。


私は耳が聞こえないため電話対応は難しい。経理は会社の根幹に関わり、ミスひとつで大きな影響が出る仕事。情報が入りづらい中でこなすには、本当に大きな覚悟が必要でした。それでも、家族と会社を支えるために、私は自分から経理を申し出ました。


■ ゼロからの挑戦


9月から引き継ぎが始まりましたが、現実は想像以上に厳しいものでした。知識ゼロ、経験ゼロ。ただ必死でした。「吐き気・頭痛・疲れすぎて眠れない日」そんな日が続きました。それでも「任された以上、やり切る」と決めました。


短期間で理解するために誰が見てもわかるマニュアルを一から作成しました。その結果、今では経理業務の約80%を理解し、流れや判断もできることが増えました。



■ 怖さは成長の証


この経験を通して気づいたことがあります。責任を果たすことと、自分の限界を知ることは両立できる。怖いから逃げたい。できない自分を突きつけられて苦しい。そんな気持ちはずっとありました。それでも、恐怖や迷いを抱えたまま一歩ずつ進めば、確実に成長できる。


ただ誤解してほしくないのは、「私のやり方が正しい」わけでも「こうすべき」でもないということです。人にはそれぞれ環境も体力も状況も違う。頼ることが必要な人もいるし、休むことが必要な人もいる。


私はただ、“こういう選択をした”というだけ。大事なのは 誰かの価値観ではなく、自分の心が納得できる選択をすることだと思っています。


■ 現在、そして未来への覚悟


私は「経理を辞めたい」から悩んでいるわけではありません。父が引退するタイミングで経理を降り、会社から離れる予定です。


ただ、いろんなことが起こる未来を考えると、不安がよぎることがあります。娘であり、社員でもある。その境界の中でやっているからこそ、迷いが生まれます。それでも今は、頼れる誰かを待つのではなく、どうしたらやっていけるかを考える力と覚悟を試されている時間だと感じています。


■ 私が出した答え


私はこの年になってやっと、「これ以上抱えたらキャパを超える」という自分の限界をはっきり自覚しました。今まで私は、頼まれたことをすべて引き受けてきました。手話奉仕員養成講座の講師、手話普及啓発活動など、続けられなくなる自分が嫌で手放せませんでした。


でも仕事の状況が変わった時、腹を括りました。娘だから、社員だからで「できる範囲でいい」と終わらせず、家族・会社を全力で支え、社員として責任を果たす。


だから他の活動は縮小しました。(オンラインレッスン・コーチングは、調整が可能なためこれまで通り続けます)


その決断を応援し、理解してくれた周りの人たちには心から感謝しています。一般的には「できる範囲でやる」人が多いのかもしれない。でも私の感覚は違う。大切な家族、家族経営、娘、社員として自分の人生を考えたとき、「ただやる」ではなく 未来(みらい)に後悔しない選択をしたかった。


大切な家族を支えるのは他人ではなく家族だと、私は思った。だから私は今、自分で選んだ道を正解にするために努力しています。その先には、家族にとっても自分にとっても幸せな未来があると信じています。


■ 最後に


不安や恐怖があるのは当たり前。(聞こえないことによる不安があることとは別として)


それを「弱さ」だと思わなくていい。私も、聞こえないこととは別に仕事、人間関係、責任、将来…たくさんの不安を抱えながら生きています。


それでも工夫しながら、努力しながら、一歩ずつ進んでいたらできなかったことが、少しずつできるようになっていきました。


今でも、不安がゼロになったわけじゃありません。揺れる日もあるし、止まりそうになる日もあります。それでも、家族と会社を支えながら前へ進むと決めた “今の自分” を、私は誇りたいと思う。


不安や恐怖があっていい。立ち止まる日があってもいい。泣いたっていい。比べる相手は誰でもなく、「昨日の自分」。一歩でも進めたなら、それはもう立派な前進です。


あなたはひとりじゃない。

一緒に進んでいきましょう。


 
 
 
bottom of page